[ 赤 く 染 ま っ た 教 室 で ]
朝から眠くて眠くて仕方が無かった。
だから、放課後の教室でうっかり居眠りしてしまった。
待ち人はいずこに?
私は目覚めてすぐに焦って辺りを見渡した。
視界には映らない。だから、まだ部活が終わっていないのだと思った。
けれど残念ながら部活は終わっていたらしく、後ろからげんこつでコツンと殴られた。
「バーカ、とっくの昔に部活は終わってんだよ」
「ごめんなさい。寝ちゃった・・・」
景吾はとても不機嫌で、眉間に皺を寄せて私を睨んでいる。
両手を顔の前で合わせて謝り倒すけれど、景吾は返事すらしてくれない。
「ほんとにほんとにゴメン。朝から眠くて眠くてしょうがなくて・・・。
授業中居眠りできなかったから、うとうとしてたら寝ちゃった」
「・・・・・・」
「ごめんなさい。本当にごめんなさい」
「学校で居眠りするな」
「気を付けます」
大きな溜め息をついて景吾は目を逸らした。
私は下を向いて黙ってしまう。
付き合いだして1年、こんなに気まずくなったのは初めてだ。
景吾に嫌われまいと一生懸命頑張っていたつもりだけれど、こんな些細なことで崩れてしまうのだ。
私は頭を机に打ち付ける。涙が溢れてきた。
すると、髪の毛をくしゃくしゃとかき回された。
景吾の大きな両手が私の頬を挟む。そして、顔を無理矢理上げて、目を合わせる。
「何やってんだよ。こっち見ろよ」
「だって、景吾が怒ってるから、怖いし」
「んなことで泣くな。ってか大体なぁ、おまえは無防備すぎるんだよ。もっと自覚しろ!」
「何を?」
景吾の言っていることの意味がよくわからなかった。
それゆえきょとんとしていると、景吾はまた溜め息をついてうなだれる。
「ったく、わかんねぇのかよ。熟睡してたら誰に何されるかわかってんのか?」
「そんなの景吾くらいしかしないでしょ」
「バーカ、男だったら何するかわかんねぇよ。忍足とかどうすんだよ」
「た、確かに、忍足とか危険だ。もう居眠りしない」
景吾は私を鼻で笑う。
眉間に皺を寄せて反抗したら、ちゅって軽くキスされた。
私は驚いて顔を赤く染める。
景吾はそういう初心な反応をすると喜ぶのだ。
恥ずかしがった割に私は物足りなく感じていて、景吾にキスをかえす。
滅多に自分から進んでキスなんてしないから、景吾は大きく目を見開いて固まっていた。
してやったり、と私は悪女の笑みを浮かべて景吾の胸に飛び込んだ。
景吾の頬が赤く染まっているように見えたのは、きっと夕焼けのせいだよね。
だったら、私の頬は夕焼けとさっきの不意打ちとでりんごのように真っ赤に染まっているだろうな。
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はい、名前変換ありません(-_-;
拍手お礼夢にしようと思っていて、拍手設置断念した為、使い道がなくなったので。
仁成さんのは名前ちょこちょこ加えたんだどなぁ、こっちはあんまり。
けごたんは些細なことで怒るというか嫉妬しそうです。
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