[ I wish ... ]





今日も、明日も君を想う。

いつも、どこでも君を想う。

君の幸せを願う。

君の笑顔を願う。





「仁成っ」
名前を呼んで後ろから抱きついた。
別れはもうそこまで来ている。
あと2日で私は名古屋に旅立つから。
遠距離恋愛、だからしばらく会えない。
細いけれど折れない身体を抱きしめる。
私にとっては広い背中、頼れる背中。
顔を押し付けたら、幸せになれる気がした。

青空の下、春風が吹く。
時間は待ってくれない。
仁成の背中から離れて、隣に並ぶ。
手を握ろうとしたら、仁成から手を握ってくれた。
何も言っていないのにわかってくれるのは、嬉しい。







「ん?」

「あと2日だな」

「うん。早いね。ひとりぐらしだよ。私にできるかな」

「俺ができたんだから、にできないことはないさ」





頑張ろう、と心に誓う。
4年間、頑張ればなんとかなる。
それは、高校での3年間で学んだ。
なんとかなる、そう思ったらなんとかなるんだ。
なんとかならないことってないよ。
自分を信じるだけ。

夏休みになればまた会えるから。
会えなくても「好き」という想いだけは消えないように、消さないように、色あせないように。
想いは形に残せないから、自分自身でしっかり守らなくちゃ。

隣には愛しい人。
背伸びして、頬にキスをした。
驚いた仁成は目を大きく開く。
けれど、すぐに目を細めて私を見つめる。
お返しのキスはすぐに降ってくる。





「俺はが好きだから、心配することねーよ」

「そんなふうに言われても、ちょっとは不安になるよ。触れられないもん」

「次、会えるまでの分、触っとけば?」

「ふふ、そうする」





ぴたっと身体をくっつける。
それだけで、心が温まる。
春風でさえ、私の心を吹き飛ばすことはできないよ。
信じることは、いちばん難しいこと。
けれど、いちばん簡単で、大切なこと。
そして、どこにいてもできること。

だから、毎日想うよ、仁成のことを。









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目に見えることを信じるのはたやすいけれど、
それが真実とは限らないから詐欺があるわけで。
自分が真実だと思っている時点で幻想なのかもしれないね。
信用と幻想は紙一重ですか?

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