帰宅して部屋の明かりをつけたら、ベッドの上で丸くなって眠る人間を見つけた。
合鍵を渡したら、好きなときにやってくるようになった。
また、姉妹ケンカでもしたか。
疲れたから仮眠したいけど、ベッドは占有されていて使えそうにない。
の頭を撫で、髪を梳き、頬に触れ、顔を近づける。
額と額をくっつけた。
少し、熱く感じる。
軽く、口付ける。
ちゅ、と小さな音をたてて唇を離した。
は起きそうにない。
溜息をついて、毛布をにかぶせ、俺は床に寝転がった。
[ 口付ける ]
目が覚めたら部屋は真っ暗だった。
明かりをつけようとしてベッドから降りて気付く。
ここは自分の部屋じゃない。仁成の部屋だ。
足元に転がる影。
仁成が床で丸くなっている。
帰ってたんだ。
明かりをつけたら起こしちゃいそう。
自分が今までかぶっていた毛布を引きずり、仁成にかける。
仁成の顔を見ていると、触りたくなる。
頬をつつき、髪に触れ、顔を近づけ口付けた。
起きそうにないな。
おなかすいたな。
冷蔵庫の中はからっぽだ。
買い物に行こ。
帰ってきたら、起きてるかな。
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