目に入ると、覚司と過ごした日々を思い出してしまう。
だから、全部ごみ袋に入れてしまった。
そうしたら忘れられるよね。
携帯電話に残った写真も、全部、全部捨ててしまえ。

でも、捨てられないものもあって。

思い出は、捨てられないよね。
ベッドの上で大の字になった。
目を瞑れば、たくさんの思い出が溢れてきて涙がこぼれた。
大好きだったよ。
もう、過去形なんだよ。





[ 捨てる ]





たまにの姿を見かけると、逃げるように去っていく。
俺のこと、嫌いなんだって痛感する。
持っていたごみ袋をごみ捨て場に投げつけた。
どうしてうまくいかなかったのだろう。
大事にしていたつもりだったのに。
結局、『つもり』にすぎなかったのだろうな。

まだ、少し好きなんだけど、誰か、その気持ちも捨ててしまえって言ってくれよ。





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