隊首会を終えて隊舎へ戻ると、執務室から賑やかな声が聞こえた。
どうせ、松本が雛森や虎徹と茶でも飲んでいるのだろう。
いつも通り「松本、仕事をしろ!」と声を張り上げたら、十番隊では聞きなれない声が俺に謝ってきた。


「申し訳ありません、日番谷隊長。私がお邪魔してしまったので」
か? 十番隊に来るのは珍しいな」
「あたしが連れてきたんです。朽木隊長にべったりなんだもの。たまにはうちの隊長の相手もしてちょうだい」


六番隊のは、他の隊の隊士と絡まないことで有名だ。
十番隊に来るのは初めてだろう。
俺が執務室へ戻ってきたから、遠慮して茶にも菓子にも手を出さなくなった。


「甘納豆じゃねえか」
「ちょっと、隊長! 誰も食べていいなんて言ってませんよ」
「うまいな、これ。どこで買ったんだ?」
「あのー、私の手作りなんですが……」
が作ったのか!?」


瀞霊廷にある甘納豆の店はすべて把握しているつもりだったから、知らない味に驚いたものの、それは当然のことだった。
今度は、俺が茶にも甘納豆にも手を出せなくなってしまい、を見つめていた。


「あ、あの……日番谷隊長?」
、お前十番隊に来ないか?」
「えっ、あの、その……」
「隊長、嫁に来いぐらい言えないんですか?」
「ま、松本!!!」


は空気をうまく吸い込めずに、口をパクパクさせている。
俺は耳まで真っ赤にさせているだろう。


「一生守ってやる。俺のところへ来いよ」
「あわわ、私、どうしたらいいんでしょうか」
「また甘納豆作ってくれ」
「は、はい!」


少しはにかみながら笑うの、その笑顔を一生守りたいと思った。
こう思える人は、後にも先にも以外にいないだろう。





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