昼休みはの店も大混雑。
だから、タークスのように昼休みもフレキシブルな職場はありがたい。
腹が減っても我慢して、店が空く時間を見計らっていく。
今日もはかわいいし、ご飯はうまいし、最高だな。


「いつも、おいしそうに食べてくださいますね」
「お、おう、いつもうまいからな」


食事中に不意打ちだ。
はいつも通り微笑んでいる。
やべえ、距離が近すぎて手が震える。


「そう言ってくださると、がんばった甲斐がありますよ、レノさん」
「おう、そうか。そりゃ嬉しいぞ、と」


ん?
が俺の名前を呼んだ?


「俺の名前、知ってるのか?」
「あ、えっと、はい。レノさんとよく一緒にいらっしゃる、スキンヘッドの方に教えてもらいました」
「ルード、あいつ・・・」
「個人情報流出で怒ります?」
「そんなこと、言わないぞ、と」


安心したような笑みを浮かべ、は厨房へ戻っていく。
が去って、テーブルの上の伝票に付箋がついていることに気付く。
それを見て、慌ててはがしてポケットに忍ばせる。

俺は、の連絡先を手に入れた。





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