「! おい!」
「なーに?」
「とぼけたって無駄だからな」
「だから、何を?」
「浮気しているのは明白だぞ、と」
「私が、浮気? するわけないじゃない」
いつまでとぼけるつもりだ。
俺は昨日見たんだからな。
ソルジャー2ndの腕にしっかりと自分の腕を絡ませて歩いているところを。
「証拠は?」
「俺は昨日見たんだぞ、と」
「何を?」
「ソルジャーとデートしてたろ」
「してないよ」
「ソルジャーと腕組んで歩いてたろ」
「知らない」
これ以上言い合っても仕方がないか。
諦めて、許してやることにした。
なんだかんだ言って、は俺にベタ惚れだからな。
「それより、レノ」
「なんだ?」
「シャツにピンク色のがついてるよ」
「あ?」
「誰の口紅かなー?」
「あ、これは、その、あーイリーナがずっこけて、それを受け止めたときについたんだ。そうだ、そうだった」
「とぼけるのが下手ね、レノ」
が笑ってる。
まいったな。
俺は嘯くのは下手だ。
[ 嘯く ]
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