できないよ、そんなこと。
二人とも、大事な友達なのに。


、お前成瀬のこと好きだろ?」
「好きだよ」
「俺のことも好きだろ?」
「うん、高岩のことも好きだよ」
「どっちも友達としてだよな」
「当然でしょ。それ以外に何があるの?」


わかってるけど、言わない。
彼らに恋はしないって決めた。


「好かれたいって思っても、好きになってくれるとは限らないだろ?」
「そりゃそうだよ」
「だったら、俺か成瀬、選んでもいいんじゃないかって」
「選んだら、二人のことが大好きな女子たちに潰される」
「それほどやわには見えないけどな」
「失礼ね。ファンの狂気には負けちゃうよ」


二人とも好きだよ。
でも、私は今の関係がとても好きで満足しているから。
二人同時に恋したくてもそれは今の世ではきっと許されないことで、
だったら二人のことを好きでいられる友達っていう関係は、私にとって十二分な関係なのだ。


「選ぶとしたら?」
「え?」
「俺と成瀬、選ばなくちゃならないとしたら?」
「そうねぇ・・・成瀬かな」
「おいっ! 本人の前でそれはないだろ〜」
「だって、高岩面倒くさそうだし」
「俺、そんな風に思われてたのか・・・」
「うん!」


からかって笑い合える。それが高岩のよいところ。
ほっとして落ち着く。あと、真面目。それが成瀬のよいところ。
二人が私を選んでくれたことには感謝している。





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