ルーファウスと別れた。
社長と一般人が釣りあうわけがない。
これでよかった。そう思った。
わたしもルーファウスも幸せになれると思った。
けれど、うまくいかないこともあるんだね。
わたしとルーファウスが交際していることでできた交友関係は崩れていった。
わたしのことを、わたしとして見てくれている人は少なかった。
神羅カンパニーの社長の恋人としての価値しかなかったらしい。
わたしの価値なんて、そんなものなのか。
それより、ルーファウスの変わり様に驚いた。
少しやつれて、目にも覇気がない。
わたしと別れたから?
仕事がうまくいかないから?
別れない方がよかった?
でも、わたしが決めたこと。今更、覆せない。
そんな悲しい目で、こっちを見ないで。
その胸に飛び込みたくなってしまうから。
顔を伏せて、逃げた。
[ 絆される ]
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