「これからジュノンに行く」
「出張?」
「邪魔者は遠くにおくべきか」
「左遷みたいなもの、か」
の好きに捉えて構わない」


飄々としているけれど、少し怒っているみたいだ。
ルーファウスはこちらを見る。
いつも以上に冷たい瞳。


「一緒に来るか?」
「あたしは、ここに残る。今の生活を捨てるわけにはいかないもの」
「そうか」


ルーファウスは私の頭を撫でる。
もっと優しく撫でてよ。髪がくしゃくしゃだ。


「待ってる」
・・・」
「信じて、待ってる。ルーファウスがミッドガルに戻ってくる日を」


寂しくても、辛くても、悲しくても、ルーファウスのことを信じていれば、きっとあたしは前を向いて進める。
だからルーファウス、あたしのことを信じていてね。
何も言わないのは、私の言うことを否定していないってことだよね。


「私も、を信じている」
「ありがと」
「親父は信じるに値しない」
「冷たいね」
「多くを信じても、何も得られない」


信じたり、裏切ったり、そういうの、面倒だもんね。
だから、あたしはルーファウスの負担にならないよう、心がけるよ。


「そんなことしなくても、は」
「裏切らないし、信じて待ってるって言ったでしょ」
「わかってる」


ルーファウスが微笑んだ。
私も微笑み返す。
きっとルーファウスが戻ってくる頃には、あたし達の絆はもっと強くなっているよね。





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