夜中に目が覚めた。
襖の向こうに人の気配がする。
そっと襖を開くと、気配の主は自室へ戻ろうとしていたから呼び止めた。



「冬獅郎、起こしちゃいましたか」
「どうした?」
「眠れなくて。冬獅郎の霊圧を近くで感じたら、心が落ち着いて眠れそうな気がして来ちゃった」
「眠れそうか?」
「うん、しばらく縁側にいたら、眠くなってきた」


とろんとした目つきになっている。
このまま歩いて戻ったら、また目が冴えるだろう。


「来いよ。一緒に寝るぞ」
「え? でも・・・」
「何もしねえ。ただ同じ布団にくるまって眠るだけだ。戻る間に目が冴えたらどうするんだ?」
「うん、ありがとう」


同じ布団にくるまって、互いのぬくもりを感じて、今日はよく眠れそうだ。

明日、目が覚めても、君が俺の腕の中で幸せそうに眠っていてくれますように。





[ 眠る ]





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