七番街のプレートが爆破されて落ちた。
たくさんの人が亡くなった。
後で主任から聞かされた。
あれはレノの任務だったこと。
レノがしくじって大怪我をしたこと。
レノの代わりにイリーナという女性がタークスに入るということ。
タークスが汚れ仕事専任なのは知っている。
それでも、自分の恋人がそんなことをするのは嫌だ。
私は、レノの無事と、レノが綺麗な仕事をして暮らしていける日が訪れることを祈るだけ。
スラムの教会で、今日も待ってる。
「ー、飯食いに行くぞ、と」と元気な姿を見せてくれる日を待ってる。
今日も、レノの病室には行かず、神羅ビルとスラムの教会を往復する。
[ 祈る ]
目が覚めたら、祈りのポーズのように両手を組んでいた。
俺はまだ死んじゃいねえよ。
にこの病室の場所は伝わっているはずなのに、一瞬たりとも訪れる気配がない。
俺が動けないのだから、会いに来てくれたっていいのに。
溜息を空しく病室に吐き出した。
会いたい。
会えないなら、に明るい未来が訪れることを祈るだけ。
窓の向こうに広がるミッドガルの暗い町並みに、未来は見えない。
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