の肩が、震えている。
目も、泳いでいる。
嫌なら、嫌って言えば止めるのに。
どうして言わないんだよ。


「な、なに?」
「震えてるぞ、と」
「だ、だって、服脱がされて下着だけだもん。冷えるよ」
「もう夏だぞー、と」

足元でくしゃくしゃに丸まったタオルケットをに掛けて、俺はベッドから降りた。
床であぐらをかいて、天井を仰ぐ。

ベッドが軋む。
タオルケットを身にまとったが、俺の隣に転がり落ちてきた。

「レノ」
「何だ?」
「怖いよ。でもね、このままずっと怖いからって逃げてたら、いつまで経ってもレノと向き合えない」
「別に体がすべてってわけじゃないし」
「レノはいつも私のこと大切にしてくれるし、好きって言ってくれるから、私も応えたいの。レノの気持ちに」
「・・・・・・」
「だから、私が震えてるのは目を瞑って見なかったらいいよ」

の頭が俺の肩に載る。
シャンプーの甘い匂いがした。

「ありがとな」
「どういたしまして」

の唇にそっと触れた。





[ 応える ]





BACK>

inserted by FC2 system