跡部さんと仲よさそうに歩いていたり、鳳と物を貸し借りしたり、忍足さんに誘われたらついていくし。
少しは、俺のこと考えてくれたっていいだろ。

なぁ、
俺達、付き合ってるんじゃないのか?
俺のこと、好きじゃないのか?

もちろん忙しいからデートもそんなにしていないし、いつ愛想が尽きたと言われてもおかしくない。
でも、疲れた体を引きずって、メールして、電話して、できるだけに合わそうとしているのに。


「日吉くん?」
「なんかさ、は俺のこと、いいように使ってるだけに思えてくる」
「どうして?」
「部長と二人で帰ってるところ見たことあるし、俺の都合が悪いときに使える男がそこらに転がってるからキープしてるのかって」
「酷い! そんなふうに私のこと見てたの?」


は少し泣きそうな顔をしている。
言い過ぎたか。
でも、それは俺の本音だ。


「でも、私も悪いんだね。日吉くんがそういう目で見たくなってしまうような嫌な事をしてたんだよね。ごめんね」
「いや、謝ってほしいわけじゃなくて」
「確かに、先輩たちが優しくしてくれるから、それに甘えてた。だから、日吉くんがいなくても寂しくなかった。
 本当は、日吉くんがいいなって思ってたけど、言わなきゃ伝わらないよね」
「俺が、寂しい思いをさせていたんだな」
「私は、日吉くんがいい! 日吉くんが好きなの! だから、今から改める」
「うん。俺も、ちゃんと優しくするから」


少しでも不信感を持った俺が馬鹿だった。





[ 疑う ]





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