好きだから、守りたくて、手の届くところに居られるようにしていた。
はじめはよかったが、次第にの表情は暗くなっていく。
終いには「会いたくない」とまで言い出した。
何も言えなかった。
よかれと思ってやっていたことが、全部の為にはならなかった。


「わたしもルーファウスが好きだよ。
 でも、私は一般人だから、ルーファウスの周りのことに心がついていけないの」
「私にどうしろと言うんだ?」
「少しでいいから、わたしのペースに合わせてくれればいい。でも、無理でしょ?」
「・・・・・・わかった」


わかってはいない。でも、これしかないのだ。
別れを告げて、を解放することが、の笑顔を取り戻す唯一の方法。


「さようなら。ルーファウスと一緒にいた時間は、とても楽しかったよ」


本当にそう思っているのなら、どうして笑顔を見せてはくれないのだ。





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